川名のひよんどり(クリエート浜松)

静岡大学 情報学部 西尾です!

「川名のひよんどり」の神事と舞が、クリエート浜松で披露されました!
会場には、補助席が用意されるほどの観客が集まり、とても賑やかな雰囲気でした。
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「川名のひよんどり」とは?

浜松市北区川名地区で例年1月4日に、五穀豊穣・子孫繁栄を祈願して行われる伝統芸能です。平成6年には「遠江のひよんどりとおくない」として「国指定重要無形民俗文化財」指定を受けています。

「シシウチ」と「マトウチ」クリエート浜松で初公開

祭り当日は、「火踊り」が観光客の目を引き付けますが、
今回、クリエート浜松では、それ以外の神事と舞が披露されました。
そして、今回の注目は、現地以外で初公開の、神事「シシウチ」「マトウチ」です。

  • 本日の演目
    神事 シシウチ・マトウチ(初公開)
    ・順の舞
    ・片剣の舞
    ・はらみの舞
    ・稲叢(いなむら)の舞

<シシウチ>
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<マトウチ>
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変えていく伝統

今回のイベントでは、「川名のひよんどり保存会」の方のお話を聞くことができました。

その中で、「伝統が形を変えている」というお話を伺い、伝統の継承に対する切実な願いを感じました。

たとえば、このような祭りは伝統的には、「一般には見せられない」という考え方で、地域のみで守られてきました。
しかし現在、「多くの人に見てもらおう」と考えられ始めており、地域外でも触れることができるようになりました。
今回、初公開の「シシウチ」「マトウチ」もその一つといえます。

ただし、あくまで行われる神事や舞は地域の人々の「祈り」です。すべてを公開するわけではなく、「変えていくもの」「変えてはならないもの」があるといいます。

現代社会の問題のヒントにも

また、こんなお話がありました。

川名の人々には、各家庭ごとに役割があるというお話です。
祭りの頃になると、何の説明があるわけでもなく自然と各自が役割をこなし、やがて祭りになっていき、そして祭りを終えていくといいます。

驚くべきは、災害や疫病を乗り越えて、それを何百年も受け継いでいるということです。
本当に地域に根付いた祭りであることが伺えるとともに、地域の結束力の強さがわかります。

現代社会は、コミュニティづくりが困難な環境ともいえます。保存会の方は、祭りを通じて現代社会の問題も解決できるのでは?と問いかけていらっしゃいました。

今回のイベントでは、神事と舞の見学をすること以上に、得るものが多かったです。
祭りは、コミュニティづくりにもヒントを与えてくれる!という可能性にも、魅力を感じました。
「川名のひよんどり」に興味を持っていただけたら幸いです!

文責:西尾

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